浴室の全面リフォームにかかる費用は?種類や補助金についても解説
浴室を丸ごと新しくしたいけれど、「工法によって費用がどれくらい変わるのか」「予算内でどこまでできるのか」と困っていませんか?
浴室の全面リフォームには、規格化された部材を組み立てる「ユニットバス」への交換と、既存の骨組みを活かして造作する「在来工法」の2種類があり、選ぶ工法によって費用や工期は大きく変わります。
この記事では、2つの工法の違いから費用相場、素材別の特徴、予算別にできる内容、費用を抑えるコツ、使える補助金まで、浴室の全面リフォームを検討するうえで知っておきたい情報をまとめて解説します。
目次
・浴室の全面リフォームには2種類ある
・浴室の全面リフォームにかかる費用相場
・【素材別】浴室の全面リフォームの費用と特徴
・予算別にできる浴室の全面リフォーム内容
・浴室の全面リフォームの費用を抑えるコツ
・浴室の全面リフォームで使える補助金・助成金
・浴室の全面リフォームに関するよくある質問(FAQ)
・まとめ|浴室の全面リフォームは費用や種類を把握して進めよう
<この記事でわかること>
・在来工法とユニットバスの違い
・工法別の費用相場と工期の目安
・浴槽素材ごとの費用と特徴
・予算別にできるリフォーム内容
・費用を抑えるコツと使える補助金
浴室の全面リフォームには2種類ある

浴室の全面リフォームを検討するとき、まず知っておきたいのが工法の違いです。浴室の全面リフォームには、住宅ごとに床や壁を現場で造作する「在来工法」と、あらかじめ規格化されたパーツを工場で生産し、現場で組み立てる「ユニットバス」の2種類があります。
どちらを選ぶかによって、費用相場や工期、防水性能、掃除のしやすさまで変わるため、まずは両者の特徴を比較しておきましょう。

在来工法(オーダーメイド型)の特徴とメリット・デメリット
在来工法は、コンクリートやモルタルの土間の上にタイルなどを1枚ずつ張って浴室を造る方法です。
浴室の全面リフォームで在来工法を選ぶ最大のメリットは、間取りや浴槽の形状、タイルの色柄まで自由に設計できる点にあります。隣接する洗面所と一体的に空間を広げたい場合や、ホテルのような造作浴槽を希望する場合に向いています。
一方でデメリットとしては、防水はタイルの目地に依存するため、経年でひび割れや目地の劣化が起こると、そこから水が浸入しやすくなります。
施工者の技術差が仕上がりや防水性能に直結しやすい点も、在来工法ならではの注意点です。また、現場での造作が中心となるため、ユニットバスに比べて工期が長くなる傾向があります。
近年は断熱性に優れたユニットバスへの人気が高まっており、在来工法を選ぶ世帯は減少傾向にありますが、デザイン性を重視するリフォームでは依然として有力な選択肢です。
ユニットバス(規格型)の特徴とメリット・デメリット
ユニットバスは、床・壁・天井・浴槽があらかじめ一体化されたパーツとして工場で作られ、現場では組み立てるだけで設置できる浴室です。
浴室の全面リフォームでユニットバスを選ぶ最大のメリットは、パネル同士のつなぎ目が少なく防水性・気密性が高いことです。断熱材が組み込まれた製品も多く、冬場の寒さ対策にもつながります。工場生産のため品質が安定しており、工期も短く抑えられます。
デメリットとしては、サイズや形状があらかじめ決められた規格の範囲内に限られる点が挙げられます。変形浴室や極端に広い浴室を希望する場合は、対応できる製品が限られることがあります。
また、既存の浴室が在来工法の場合、ユニットバスを設置するための下地づくりが別途必要になり、その分の費用と工期がかかる点も押さえておきましょう。
浴室の全面リフォームにかかる費用相場

浴室の全面リフォームにかかる費用は、既存の浴室がユニットバスか在来工法か、そしてリフォーム後にどちらの工法を選ぶかによって大きく変わります。
同じ「全面リフォーム」という言葉でも、工事範囲が異なれば費用は数十万円から数百万円まで幅が出るため、まずは工事内容別の費用相場を一覧で確認し、ご自宅の状況に近いパターンを把握しておきましょう。

在来工法からユニットバスへ変更する場合(100万〜250万円)
タイル張りなどの在来浴室からユニットバスへ変更する浴室の全面リフォームは、100万〜250万円程度が費用相場の目安です。既存浴室の解体に加え、ユニットバスを設置するための床や壁の下地づくり、給排水・電気設備の調整までが工事範囲に含まれるため、ユニットバス同士の交換より費用が高くなります。
特に注意したいのが、解体して初めて見つかる土台や柱の腐食です。タイルの目地や浴槽まわりから長期間水が浸入していた場合、表面からは分からなくても内部の木材が傷んでいることがあります。
補修が必要になれば、その分の追加費用と工期がかかります。費用に幅が大きい理由でもあるため、現地調査で床下や壁の内部まで確認してもらい、追加費用が発生しうる範囲を事前に共有しておくと安心です。
ユニットバスからユニットバスへ交換する場合(80万〜150万円)
現在ユニットバスを使用している浴室をそのまま新しいユニットバスへ交換する浴室の全面リフォームは、80万〜150万円程度が費用相場です。既存設備の解体と新しいユニットバスの組み立てが中心となるため、在来工法からの変更に比べて費用と工期を抑えやすいのが特徴です。
費用の内訳としては、ユニットバス本体の価格が占める割合が大きく、選ぶグレードによって総額が変わります。標準グレードのシンプルな製品を選べば80万円台に収まることもありますが、浴室暖房乾燥機や高断熱浴槽、自動洗浄機能などを追加すると150万円前後になりやすくなります。必要な機能を絞り込むことが、予算内に収めるポイントです。
在来工法のまま改修する場合(浴槽20万円〜/張替60万円〜)
浴室全体を交換せず、在来工法のまま部分的に改修する方法もあります。浴槽だけを交換する場合は20万円程度から、床・壁のタイルを全面的に張り替える場合は60万円程度からが費用相場の目安です。
既存の浴室に大きな不具合がなく、浴槽の劣化や見た目の古さが気になる程度であれば、この方法で費用を抑えながら浴室の全面リフォームに近い印象の変化を得られます。ただし、下地の劣化が進んでいる場合は表面だけを直しても根本的な解決にはならないため、着工前に下地の状態を確認してもらうことが大切です。
【素材別】浴室の全面リフォームの費用と特徴

浴槽や壁パネルに使われる素材によっても、浴室の全面リフォームにかかる費用や使い心地は大きく変わります。同じユニットバスでも、選ぶ素材によって本体価格に数十万円単位の差が出ることも珍しくありません。
ここでは代表的な4つの素材を比較し、それぞれの費用目安と特徴を紹介しますので、暮らし方や予算に合わせて選ぶ際の参考にしてください。

人工大理石・FRPの費用と特徴
人工大理石は、樹脂に無機物を混ぜて成形した素材で、艶やかな質感と豊富な色柄が魅力です。浴室の全面リフォームで採用する場合、浴槽本体の費用は15万〜40万円程度が目安で、表面が滑らかで汚れが落ちやすいため、日々の掃除の負担を抑えたい方に向いています。傷がついても研磨で目立ちにくくできる製品もあります。
FRP(繊維強化プラスチック)は、軽量で加工しやすく、ユニットバスの標準仕様として最も多く採用されている素材です。浴槽本体の費用は5万〜15万円程度と手頃で、断熱性を高めた製品も増えています。人工大理石に比べると経年で光沢が落ちやすい点はありますが、コストを抑えて浴室の全面リフォームを行いたい場合におすすめです。
鋳物ホーロー・ヒノキの費用と特徴
鋳物ホーローは、鉄を成形した表面にガラス質の釉薬を焼き付けた素材で、保温性の高さと重厚な質感が特徴です。浴室の全面リフォームで鋳物ホーロー浴槽を選ぶ場合、費用は30万〜60万円程度と高めですが、耐用年数は20〜30年程度と長く、長期的に使い続けたい方に向いています。重量があるため、設置には床の補強が必要になることもあります。
ヒノキなどの木製浴槽は、香りや肌触りの良さが魅力で、和の趣を演出できる点が支持されています。費用は30万〜80万円程度で、耐用年数は5〜10年程度とほかの素材より短く、防カビ・防水のための定期的なメンテナンスが欠かせません。素材そのものの魅力を重視する方に向いていますが、ランニングコストも含めて検討することが大切です。
予算別にできる浴室の全面リフォーム内容

浴室の全面リフォームは、かけられる予算によって実現できる工事内容が変わります。「いくらあれば何ができるのか」がわかると、リフォーム会社に相談する前の目安が立てやすくなります。ここでは予算を3段階に分けて、それぞれで実現しやすいリフォーム内容と向いているケースを紹介します。

80万円以下でできるリフォーム
80万円以下の予算では、浴槽や床、壁など気になる部分を絞った浴室のリフォームが中心になります。既存浴室が在来工法の場合は下地工事が必要なため、この予算では部分改修にとどめるケースが多くなります。
浴室全体に大きな問題がなく、古さや汚れ、浴槽の劣化が気になる程度であれば、80万円以下でも浴室の印象を大きく変えられます。浴槽や水栓の交換、床・壁の張り替えなど、劣化が目立つ箇所から優先的に手を入れ、機能を絞り込んで必要な部分に予算を集中させることがポイントです
80〜120万円でできるリフォーム
80万〜120万円の予算があれば、標準〜中グレードのユニットバスへの交換に加えて、浴室暖房乾燥機や断熱浴槽、掃除のしやすい床材といった快適性を高める設備も選択肢に入ります。多くの家庭で選ばれている価格帯であり、浴室の全面リフォームとして「見た目も機能も一新したい」という場合でも、問題なくリフォームできます。
既存浴室がユニットバスであれば、この予算内で交換とオプション追加の両方をまかなえるケースが多くなります。一方で在来工法からの変更を希望する場合は、下地工事の分だけ費用が上振れしやすいため、予算の上限に近い価格帯で計画すると安心です。
冬場の寒さ対策を重視するなら、断熱性の高い浴槽や浴室暖房への予算配分を優先するとよいでしょう。
120万円以上でできるリフォーム
120万円以上の予算があれば、在来工法からユニットバスへの変更や、浴室の拡張を伴う本格的な浴室の全面リフォームが視野に入ります。解体後に土台や配管の劣化が見つかり、下地の補修や配管の移設が必要になった場合でも、あらかじめ余裕を持った予算であれば対応しやすくなります。
この価格帯では、高グレードのユニットバスや鋳物ホーロー浴槽、人工大理石など、素材にこだわった選択も可能です。浴室を広げて足を伸ばして入浴できるようにしたり、出入り口を広くしてバリアフリー化したりと、長年気になっていた寒さや狭さ、掃除のしにくさをまとめて解消したい場合は、この価格帯での計画をおすすめします。
浴室の全面リフォームの費用を抑えるコツ

浴室の全面リフォームの費用を抑えるには、いくつかのポイントがあります。
まず、必要な機能とそうでない機能を整理することが重要です。浴室暖房乾燥機や自動洗浄機能など魅力的なオプションは多くありますが、使用頻度の低い機能まで追加すると総額が膨らみます。毎日使う機能を優先し、優先順位をつけて選びましょう。
次に、既存の構造をできるだけ活かすことも効果的です。在来工法からユニットバスへ変更する場合、浴室のサイズや位置を変えずに設置すれば、下地工事や配管移設の範囲を最小限に抑えられます。逆に浴室を拡張したり移動したりすると、給排水管の延長や壁の解体が加わり、費用が大きく増える傾向があります。
また、複数のリフォーム会社から見積もりを取ることも欠かせません。同じユニットバスを使った工事でも、会社によって提案内容や金額が異なることは珍しくありません。見積もりの内訳を比較し、どこまでの工事が含まれているかを確認したうえで判断することが、納得のいく浴室の全面リフォームにつながります。
浴室の全面リフォームで使える補助金・助成金

浴室の全面リフォームでは、条件を満たすことで国や自治体の補助金・助成金を活用できる場合があります。代表的な制度を確認しておきましょう。

「みらいエコ住宅2026事業」は、平成28年以前に新築された住宅を対象に、外皮に面する開口部を持つ居室(トリガールーム)で窓や壁の断熱改修(要件化工事)を行うことを条件として、高断熱浴槽の設置費用もあわせて補助対象にできる制度です。
ただし浴室単体では申請できず、上限40万〜100万円/戸はリフォーム全体に対する金額で、浴槽単体の補助額は数万円程度です。
高齢者がいる世帯では、手すりの設置や段差解消などを対象とする介護保険の住宅改修費も活用できます。支給限度基準額は20万円で、自己負担割合が1割の方であれば18万円が支給される計算です。利用には要支援・要介護認定を受けていることが条件で、工事前の申請が必要になるため、ケアマネジャーや自治体の窓口に早めに相談しておきましょう。
この他にも、断熱改修やバリアフリー化を対象とした自治体独自の助成金を用意している地域もあります。制度の内容や予算枠は自治体によって異なり、予算上限に達し次第受付を終了する制度も多いため、浴室の全面リフォームを計画する段階でリフォーム会社や自治体の窓口に「利用できる制度があるか」を確認しておくと安心です。
浴室の全面リフォームに関するよくある質問(FAQ)
浴室の全面リフォームを検討する方からよく寄せられる質問をまとめました。
Q. 浴室の全面リフォームの費用はいくらが目安ですか?
A. 工法によって異なりますが、ユニットバスからユニットバスへの交換で80万〜150万円程度、在来工法からユニットバスへ変更する場合で100万〜250万円程度が目安です。
選ぶ設備のグレードや、下地・配管の劣化状況によって費用は変動するため、正確な金額は現地調査を受けたうえでの見積もりで確認することをおすすめします。
Q. 工事期間はどのくらいですか?
A. 浴室の全面リフォームにかかる期間は、ユニットバスからユニットバスへの交換であれば3日〜1週間程度、在来工法からユニットバスへ変更する場合は1〜2週間程度が目安です。解体後に土台や配管の劣化が見つかった場合は、補修のために工期が延びることもあります。工事中は浴室を使用できないため、事前にスケジュールを確認しておきましょう。
Q. 在来工法とユニットバスはどちらがおすすめですか?
A. デザインや間取りの自由度を重視するなら在来工法、防水性・断熱性や工期の短さを重視するならユニットバスが向いています。近年の浴室の全面リフォームでは、断熱性能や掃除のしやすさへの関心の高まりから、ユニットバスを選ぶ世帯が多くなっています。どちらが適しているかは、既存浴室の状態や希望する暮らし方によって異なります。
Q. 浴槽の素材は何を選べばいいですか?
A. 浴室の全面リフォームで浴槽の素材を選ぶ際は、コストを抑えたい場合はFRP、掃除のしやすさや色柄の豊富さを重視するなら人工大理石、保温性や高級感を重視するなら鋳物ホーローが選ばれる傾向にあります。ヒノキなどの木製浴槽は香りや質感が魅力ですが、定期的なメンテナンスが必要な点も踏まえて選びましょう。
Q. 全面リフォームでも補助金は使えますか?
A. 浴室の全面リフォーム単体でみらいエコ住宅2026事業を単独申請することはできませんが、窓や壁の断熱改修(要件化工事)とあわせて高断熱浴槽を導入する場合は、その設置費用も補助対象に加えられます(対象は平成28年以前に新築された住宅)。
また高齢者がいる世帯であれば、手すり設置や段差解消を対象とする介護保険の住宅改修費(支給限度基準額20万円)を単独で利用できる場合もあります。制度ごとに対象工事や申請時期の条件が異なるため、リフォーム会社や自治体の窓口に確認しておくことをおすすめします。
まとめ|浴室の全面リフォームは費用や種類を把握して進めよう
浴室の全面リフォームには、間取りの自由度が高い在来工法と、防水性・断熱性に優れたユニットバスの2種類があり、選ぶ工法によって費用相場や工期は大きく変わります。ユニットバスからユニットバスへの交換であれば80万〜150万円程度、在来工法からユニットバスへ変更する場合は100万〜250万円程度が目安です。
予算に応じてできる内容も変わるため、まずはご自宅の浴室がどちらの工法か、どこまで改善したいのかを整理したうえで、信頼できるリフォーム会社に見積もりを依頼することをおすすめします。
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参考・出典

